51RKzJWDuhL._SS500_.jpg 51hY-9hH5PL._SS500_.jpg

「兵士」になれなかった三島由紀夫 杉山 隆男

自衛隊体験入隊時の三島の素顔を明かす力作。
「ダメだッ」「情けない」。あの三島が、おのれの無力に打ちひしがれた——。1970年11月25日に自衛隊の本拠・市ヶ谷駐屯地で壮絶な最期を遂げるまで、三島由紀夫は毎年のように自衛隊に体験入隊を繰り返していた。その中で三島は、苛酷な訓練にも真摯に臨み、ボディビルで鍛え上げた自慢の肉体の“弱点”すら晒け出していた。さらに現場の「兵士」=自衛隊員たちとも濃密な交流を重ね、時には「クーデター」への思いも口にしたという。そんな三島が日本中を震撼させた“自決”の背後に何があったのか……。元「兵士」たちが、事件後40年近くを経て初めて、三島の肉声と貴重なエピソードを明かす。「自決」までの知られざる道程を辿る傑作ノンフィクション。

読み終えてみると、ん〜、意外とおもしろかった。
戦後を乱暴に言ってみると、父ちゃんとおれの30年なのですがものすごく美意識の乖離を感じます。
現在の自衛隊の置かれている状況は、自決前に発した三島の自衛隊に対する予言から抜け出せていないようです。

でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相 福田 ますみ

クレーマー保護者の虚言によって、彼は史上最悪のいじめ教師に仕立てられた。
「早く死ね、自分で死ね!」
2003年6月、全国ではじめて「教師によるいじめ」と認定される事件が福岡で起こった。問題の小学校教師は、担当児童を自殺強要や暴力でPTSDによる長期入院に追い込んだとされ、「殺人教師」とまで報じられた。だが後に、一連の事実は、児童両親によるでっちあげだったことが明らかになる──。子供は善、教師は悪という単純な二元論的思考に陥り、550人もの大弁護団を結成した人権派弁護士、保護者の無理難題を拒否できない学校現場や教育委員会、すぐに騒いで教師を悪者にするマスコミ、被害者を救うヒロイズムに酔う精神科医、そしてモンスター・ペアレント......。
病める教育現場で偽善者たちが引き起こした、驚愕の冤罪劇!

いやぁ〜、冤罪の話には惹きつけられてしまいますね〜。冤罪劇って内容がひどすぎて読むに堪えず、胸くそ悪くなったり気分悪くなったりするんですが、そんな感じはないのでざっと読める。
ニュースってこういう新書の形でしか結末を追えないのよねー。

クォン・デ もう一人のラストエンペラー 森 達也

知っていますか? 日本で孤独に死したベトナムの王子クォン・デを。
王位を継ぐ代わりに、祖国解放の独立運動に身を枠げたクォン・デ。革命家ファン・ボイ・チャウとの運命的な出逢いによって、一九〇六年日本を訪れる。犬養穀や玄洋社の頭山満、新宿中村農相鳥愛蔵・黒光夫妻ら、留学生を支えた日本人との交遊、そして満州国建国に奔走したアジア主義者大川周明、松井石根の暗躍。「僕らの王子は日本に殺されたようなものなのに、どうして日本人は維もそのことを知らないのですか」ひとりのベトナム人留学生の呟きに導かれ、日本に憧れて翻弄されつづけた王族の数奇な生涯が鮮烈に廷る!

41bOgLJf9vL._SS500_.jpg戦前、戦中に日本がアジアに果たしたもうひとつの役割。当時のアジア諸国の独立運動において日本は輝ける希望の星だったわけです。
最近アフリカが舞台の、グローバリゼーションを題材にした書物や映画が数多く見受けられますが、当時はアジアも欧州列強の食い物にされていたんですねー。阿片を介して他国を骨抜きにしようとするあたりはポン引きと変わらないです。
関係ないですが。昨日、森達也さんのドキュメンタリーの被写体だった荒木広報部長?を見かけた。


TRACKBACK:

Comments

ADD YOUR COMMENT:
NAME:
E-MAIL:
URL:
COMMENT:

Blog Elements

Related Site and more...