見栄の検索(Vanity Search)とは

検索エンジンに自分の名前を打ち込んで、インデックスに載っているかどうかを探すのである。(中谷和男氏訳)
また
自分の名前以外には、20%が昔の恋人、36%が昔の友だち、また29%は家族の情報を探していた。
とある。
参照:ザ・サーチ from ジョン・バッテル(中谷和男訳)

一般的な名前だと難しいかもしれませんがいくらか特徴的であれば自分に関連するページを検索結果で見つけることは容易です。

「ザ・サーチ」によると利用者の4割はこういった行動を取っており、自分にも身に覚えがあります。今ではすっかりやらなくなりましたが大学卒業後2~3年の頃は思い出したように社会に出て活躍していく友人・知人の名前を入れてはそのインデックスの数と内容、自分のそれとを比較し溜息をついてました。ふふ、かわいらしいね。

見栄の検索についてより調べてみると

「Vanity」という言葉には「空虚な」「無意味な」という意味もあり、「知らないことについて調べる」という検索の本来の意味から考えると、誰よりもよく知っているはずの自分自身について検索するのは確かに「無意味」なことのように思える。

 しかし、実はそうではない。「見栄の検索」には少なくとも2つの意味がある。一つ目は、自分ではわからない「客観的自己」がわかることである。「自分が他人からはどう見られているのか」がわかる。これは今のようなガラスでできた鏡がなかった大昔に、初めて鏡が発明されたことに匹敵する大発明だと思う。

参照: from DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY from DOHC

とある。見栄の検索のふたつ目の意味は僕と同じ動機と思える有名度の測定。思うに無名一個人の場合には有名度の測定が理由になると思うが、ある程度有名であったり、不特定多数に知られる(法人)団体であったりすると「客観的自己」を測定することもあるのだと思う。

 昨日米AOLが、匿名化された約65万8000人のユーザーの詳細なキーワード検索データを公開したことについて、社内の「失敗」が原因だったと発表しました。その声明文の中でAOL広報は

ユーザーが自分の名前を検索エンジンで探す「vanity search」が、時にプライバシーのリスクにつながり得ることを認めた。
と言っています。
参照:AOL、ユーザーの検索データ“公開”で非難の的に from ITmedia News

AOLつまり例え匿名だとしても(AOLはユーザー名を無作為な数値に置き換えていた)検索キーワードによって個人が特定できてしまうということです。確かにある特定のユーザーの検索キーワードの中に直接関係のない2つの個人名があればその2点から特定の人物を見出すことは至極簡単に思えます。
個人名や住所、社会保障番号まで含まれていたという話ですからそういったリスクが含まれているのに一般に公開しちゃうなんてAOLはちょっとアホだよね。なんと数値化されたユーザーIDと検索キーワード、検索が実行された時間、アクセスされたドメインまで公表したそうです。
 AOL広報は「vanity search」が時にプライバシーのリスクに繋がるなんて言っていますがお前の会社がしっかりしろよって話です。利用者ができるリスク回避をあえて言えば「〇〇〇(知人の名前) むかつく」なんて具体的な検索キーワードは入れないというところでしょうか。


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