若き数学者のアメリカ

藤原 正彦
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★★★★★
最近「国家の品格」がベストセラーとなった藤原 正彦氏が30代前後の3年間に留学した米国での体験記を記したのが本書です。
いくつになってもこういった類の旅行記は大好きさ。
国家の品格は読んでないのですがYouTubeなどを通じて藤原 正彦氏の主張は何となく存じております。
本書の前半を読み進めてみて単身旅に出る日本人の情緒的傾向の相似形をこれでもかと見せつけられる。31の時に南米旅行をした際、自分だけに起こったんだと思えた衝撃、変化が実は一般的な現象なんだなと、藤原氏のエピソードから理解できた。日本人の代表なんだという主張が祖国愛に転嫁されやすかったり、ほんの数時間を一緒に過ごした少女をきっかけに気持ちが好転したり。。

後半はアメリカに腰を据えることに成功した著者による詳細な米国の分析が続く。このあたりは恥ずかしい思いをせずに楽しく読み進めることができた。
最終章。ここで藤原氏は70年代の学生の無気力、個人主義を嘆く。60年代とは違う、と。これって80年代、 90年代、ゼロ年代と言われ続けていることだね。学生はいつも変わらないのか。無気力は増進しているのか。
まぁでも10年代はそんなこと言ってられないので元気のある学生が戻ってきそうですが。

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