自衛隊体験入隊時の三島の素顔を明かす力作。
「ダメだッ」「情けない」。あの三島が、おのれの無力に打ちひしがれた——。1970年11月25日に自衛隊の本拠・市ヶ谷駐屯地で壮絶な最期を遂げるまで、三島由紀夫は毎年のように自衛隊に体験入隊を繰り返していた。その中で三島は、苛酷な訓練にも真摯に臨み、ボディビルで鍛え上げた自慢の肉体の“弱点”すら晒け出していた。さらに現場の「兵士」=自衛隊員たちとも濃密な交流を重ね、時には「クーデター」への思いも口にしたという。そんな三島が日本中を震撼させた“自決”の背後に何があったのか……。元「兵士」たちが、事件後40年近くを経て初めて、三島の肉声と貴重なエピソードを明かす。「自決」までの知られざる道程を辿る傑作ノンフィクション。
読み終えてみると、ん〜、意外とおもしろかった。
戦後を乱暴に言ってみると、父ちゃんとおれの30年なのですがものすごく美意識の乖離を感じます。
現在の自衛隊の置かれている状況は、自決前に発した三島の自衛隊に対する予言から抜け出せていないようです。
生命原理というのは、近代が追求してきた「管理する」などの機械論的な世界観にはなじまない。本当の生命原理は管理できるものではないですし。オープンで自由にしておかないと、生命の輝きは生まれない。結局、インターネットが人類にもたらした新しい事態の背後に隠されたメッセージは、一つの生命原理だと思います。命を輝かせるためには、インターネットの偶有性の海にエイヤッと飛び込まないと駄目なんです。
1984年、世界は三つの超大国に分割されていた。その一つ、オセアニア国では<偉大な兄弟>に指導される政府が全体主義体制を確立し、思想や言語からセックスにいたるすべての人間性を完全な管理下に置いていた。この非人間的な体制に反発した真理省の役人ウィンストンは、思想警察の厳重な監視をかいくぐり、禁止されていた日記を密かにつけはじめるが……
社会における個人の自由と人間性の尊厳の問題を鋭くえぐる問題作
最近読んだ本。4冊共に熱い本です。
永遠の不服従のために 辺見 庸
何となく購入したものですがその視点や言い回しはその前に読んだ森達也さんの本に近しく、現在の世相についての危機感も共にジョージ・オーウェルの「1984年」を引用したりしています。で、今「1984年」を読んでいるのですが。
ただ森 達也さんが根気強くやさしく伝えようとしているのに対し、辺見 庸さんは完全に怒って怒って疲れ果てている感じ。怒りと諦観の度合いが強く、「畜群」なんて言葉も出てきています。
知ってしまったらどうにも耐えられないエピソードをたくさん知ってしまっているが故の怒りです。そんなエピソードの詰まった砂袋で後頭部を殴られるような一冊。
青春を山に賭けて 植村 直己
植村直己物語を見に行ったのが小学校6年なので20年ぶりですな。自叙伝なので冒険への動機や手段などが懇切丁寧に書かれていますが結果としてはやっぱり向こう見ずな冒険野郎です。
最近「運命を分けたザイル」のDVDも見たんですが山登りっておっかないねぇ。
日本国憲法
「守る」という意識が戦争を引き起こす。僕は記したい。こんな憲法があった時代に、自分が生きていたことを-。相当に気が早い現行憲法への鎮魂。『Quick Japan』連載に加筆・修正して単行本化。
東京番外地
要塞へと変貌する東京拘置所、静謐な祈りが満ちるイスラム寺院、再開発の喧騒に埋もれる食肉市場、61年目を迎えた戦禍の慰霊碑…。第一線の映像作家が辿る、都会の境界。不夜城のネオンにふらつき、ドヤ街の路上で酒を呑み、炎天の雑踏に漂い、そして隣人たちの息吹を感じる。現代の15の情景を活写した極私的ドキュメント。
「強大な武器を持っていた日本がなぜ中国に敗れたのか。それは偶然に負けたのではなく、負けるべくして負けたのである…」この発言にショックを覚えた著者が展開する一大論争。みずからの異常体験をもとに論理術のかぎりを尽して、日本人を条理に合う人間と合わない人間に峻別すべきことを緻密に証明してみせてくれる。文芸春秋読者賞受賞。
「常識」の非常識
根拠のない前提がいつのまにか「常識」となって、人々の考え方を拘束すると、社会の通念に従って行動しているつもりが、結果としてとんでもない非常識となる。「死守すべき一線」型思考、「勤勉な日本人」神話などなど、平成ニッポンが陥った”常識のウソ”を根本からひっくり返した「山本七平式・考えるヒント」77選。
灼熱の砂漠からアンデスを越え、極寒のパタゴニア、そして再び赤道直下のアマゾンを走る南米大陸一周行。敬愛するチェ・ゲバラに導かれ、バイクに跨がり、56歳で駆け抜けた南米大陸30000km、120日間の旅の記録。
2冊並べるとすごいタイトル、ふふ。やばい。
「こころをさなき世界のために」は森達也氏、「憲法九条を世界遺産に」は爆笑問題の太田光氏と知人のおじさんの中沢新一氏。(生家にお邪魔したことあります)
3者ともに発言することでバッシングを省みない勇気ある人々。
襟担当の人は週給30ドルで1日600枚の襟を縫う。喋ることもトイレに行くことも組合を作ることも禁止されノルマを達しないとその日の賃金は支払われない。20項目にも渡る税金が天引きされ、月100ドルの昼食代を払わなくてはいけない。
給料未払いを理由にストライキを行うと未払いのまま工場自体が解体された。別のケースでは800人の中国人を連れてきたため労働者は職を失った。
工場を解体した企業はHanes。Brooks Brothers、TOMMY HILFIGER。
ジャマイカではバナナを11kg18米ドルのコストで産出しているが国内に米企業Chiquita、Doleが進出。11kgのコストは5米ドルと格段に安いが米国内では一切バナナを栽培していない。栽培は中米ホンジュラスで行い、日給1ドルで労働者を雇っている。ホンジュラス労働者がデモを起こすと警官隊が出動、数十名の死者を出した。
ジャー・ラスタファライ!
バックグラウンドに流れるバナナ栽培に従事する人々が歌う労働歌、バナナボート。(デー!ォ!デーェーェーォってやつね)バナナボートを歌ったジャマイカ系米国人歌手ハリー・ベラフォンテはどっちかつーとUSA FOR AFRICAの提唱者として有名です。
ナツカシの映像。シンディ・ローパー超かわいい。ハリー・ベラフォンテも一瞬映っています。
チャベス ラテンアメリカは世界を変える チェ・ゲバラ 人々のために
米国によるラテンアメリカ支配に挑戦する、いま世界で言動が最も注目されているベネズエラ大統領ウーゴ・チャベス。米国に支配され富裕層の思い通りに浪費されていた膨大な石油収益を、人口の75%を占める貧困層に分配する"ボリバリアーナ革命"を推進。米国主導の弱肉強食の新自由主義に対抗し、キューバ、ボリビアとともに反米・自立化路線を邁進する。ラテンアメリカの解放・統合を夢見たチェ・ゲバラの理想を、21世紀に新たに追求している。ウーゴ・チャベス&アレイダ・ゲバラ著
高城剛著。オフィシャルサイト
読みました。「ヤバイぜっ!」ってことなので早く読まなきゃと思っていたのですがなかなか読めなかった。先週末に友達に見せたらイヤな顔してた。昔「誰でもピカソ」に出演したら審査員としてイヤなこと言われたらしい。
ムツゴロウさん若いです。
おれムツゴロウ王国大好きだったなぁと思い出す。
マウンテンゴリラとか覚えてる。ただその映像の向こう側でムツゴロウさんこんなこと思ってたんだぁとかこんな苦労があったのかぁという話は初遭遇。
一気に読んだ。
読み終わりました、ゲバラ日記。
コンセプチュアルなプロレタリアート文学のような本書。ノンフィクションノベルを読んで感化される自分の第一声がフィクションな点はさておきとても面白かったです。
ボリビア潜伏から11ヶ月、67年10月7日までの日記、2日後に処刑される。
その内容は山岳地帯を潜伏する中で訪れるさまざまな諸問題をチェ・ゲバラが冷静に綴る。
例えば迫りくる飢え、渇き、ゲリラ隊内での確執、持病の喘息、厳しい自然、政府側のラジオ放送。
渇きのあまり自分の小便を飲んで痙攣を起こす者、飢えのあまり食物を奪い合う者、ただ困難に陥りながらもそれぞれのゲリラ隊員がゲバラの元、高い士気を持って戦い、死んでゆく。
違法駐車取り締まり強化につき、6年ぶりぐらいに電車通勤。まだ一週間だけど。
そんなわけで普段より読書がすすむ君。
今週読んだ本のうちの2冊は森達也。テーマも近しいものだった。
放送禁止歌を放送禁止歌たらしめているのは誰なのか?
魚市場や魚の解体は良く知られているけど肉はどのようにスーパーに並ぶのか?
昨日水道橋のホームで読み終えた。
後楽園ホールにボクシングを見にゆく道中。
駅に着いたからといってページ隅を中途で折る気にさせない良い本でした。
戸井 十月 著 :公式ページ
戸井 十月さんの名前は映画「モーターサイクルダイアリーズ」のパンフレットにコラムを寄せていたので覚えていた。
小説家・ルポライターとあるが、そのあとの「バイクを駆って各大陸を巡り、TVドキュメンタリーを制作する。」という言葉がピタリとくる。
すぎむらしんいちの待ちに待った新連載です!
まだ読んでないです!楽しみだよね~
軽いノリで買ってみたら、重シロカッタ。
「オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える」なんつーわけでオシムの一言一言に解説が付いてて、例えば「ライオンに追われたウサギが肉離れしますか?」とかに「ホホー」とか「フフ」とかする本かなと思ったら、全然違った。
今週の月火水で打ち合わせ7本。
同世代のデザイナーたちも恐らく同じだと思うのですが最近はめっきり制作を行うことが少なくなってきた。
お客さんの前でしゃべって、双方が気持ち良く仕事ができるように頭をフル回転させる。
ものすごくやりがいがある。
どうすれば上手いこと持って行けるか、難易度が高いミーティングなので、先晩に夢で見る。
そんな夜、寝しなに読んだのが「リクルートという奇跡」。
厚みの薄い陶製のコーヒーカップは手のひらの中にぴったりと納まり、かすれたプリントが張り付いたそのトレーナーは私に防寒機能を超えた喜びを提供します。
紙自体をデザインしたポスター、スポーツ選手をサポートするシューズ。
優れたレコードジャケットは空間に、優れた空間は心象に寄与します。